「激安ミニPCってゲームで使える?」

Amazonなどでよく見かけるミニPC。説明には「ゲームがスムーズに動く」と書かれているし、価格も3～4万円台でゲーミングPCの5分の1くらい。場所も取らなくて魅力的だけど……
これって本当にゲーム用として買って大丈夫なの？

回答「使えないものがほとんどです」

激安ミニPCが“ゲームに向かない”と言われる最大の理由は、構造そのものにあります。
画面表示(グラフィック)を担当する専用パーツ(グラフィックボード・GPU)が搭載されていないことが多く、ほとんどのモデルがCPU内蔵グラフィックスで動作するため、最新の3Dゲームを快適に動かせるだけの処理能力がありません。
また、本体が非常に小さいため排熱性能も限られ、負荷がかかると温度が上昇し、結果的に性能が自動的に落ちる“サーマルスロットリング”が頻発します。これにより、動作が不安定になったり、カクつきが発生したりと、ゲーム用途ではストレスを感じる場面が多くなります。
さらに、拡張性がほぼないため、メモリーやストレージを追加・変更出来てもゲームプレイに一番重要なグラフィックボードを追加したり冷却を強化することもできません。つまり、将来新しいタイトルを快適にプレイしたくなっても「買ったときの性能」以上のものは望めません。

購入時の性能以上のものを期待することはできず、「安いからとりあえず買う」のはリスクが高いジャンルと言えます。

「でも”ゲーミング”とかって書かれてるじゃないか!」

確かに商品説明に「ゲーミング」などと書かれてますが、”どのゲームが快適に動作するか”は書かれて無いことがほとんどです。また、ゲーミングPCに明確な基準があるわけではないです。
(ゲーミングPCの曖昧さはこちらをどうぞ)

ここで言う「ゲーム」は以下のような軽いものを指しているケースがほとんどです。

• ブラウザゲーム
• トランプなどの2Dゲーム
• インディー系の軽いタイトル
• 古めのゲーム

確かに”何らかのゲーム”は動くのでウソを言っているとは言えないですが、フォートナイト・APEX・FF14・原神 など「一般的にみんなが遊んでいるゲーム」を想定して買うと、まず後悔します。

ゲーム用で買って良い人悪い人

このような激安ミニPCを買っても問題ないかな…というのが当てはまるのは

• 軽めのゲームしかしない人
  上にも記載したトランプやマージャンなど軽いゲームしかしないというなら激安ミニPCでも十分楽しめます。
• “とりあえず動けばOK” という割り切りがある人
  「最高画質じゃなくていい」「30fps前後でもいい」「動けばいい」という人なら、満足できる可能性があります。

逆に買わない方が良い人は

• 現行の人気3Dゲームを遊びたい人
  APEX、フォートナイト、FF14、原神、バイオREシリーズなどをプレイしたいなら、ミニPCは避けるべきです。
• 長く使いたい人
  激安ミニPCは性能が低く、寿命も短め。数年後には「普通の動作ですら重い」状態になりやすいです。
• コスパを求める人
  同価格帯で中古のデスクトップを買えば、より高性能で実用的な場合が多いです。

激安ミニPCは、Web閲覧・動画視聴・Office作業・軽いゲーム などには便利ですが、“ゲーミングPCの代わり”には決してなりません。
もちろんプレイするタイトル次第ですが、「ゲーム目的で買う」なら避けるべきですね。