回答「Windowsと同じように…は無理」

「古いパソコンを再利用したい」「OSにお金をかけたくない」――そんな時に目にするのが無料のOS「Linux」。
Windows10のサポート終了に伴ってLinuxに乗り換えたらいいという話を目にしますが、でも実際Linuxは誰でも使えるの?Windowsの代わりになる?
今回は、Linuxのメリット・デメリット、向いている使い方/向いていない使い方、サポート体制について、初心者目線で解説します。
Linuxってなに?メリットは?

Linuxは無料で使えるOS(基本ソフト)で、WindowsやmacOSの代わりとして使える選択肢のひとつです。 Ubuntu(ウブントゥ)、Linux Mint(ミント)、Zorin OS(ゾーリン)など、さまざまな種類(ディストリビューション)があり、これは共通のベースである「Linuxカーネル」を元に、各メーカーや開発団体がカスタマイズして作っているためです。
使い方も難しすぎるものではなく、ソフトのインストールやファイル操作などはWindowsと似た部分も多く、初心者でも意外と扱えます。そのため、Windows 10のサポート終了が近づく中で、「古いパソコンにLinuxを入れて延命しよう」という話が増えています。
以下のような軽めの用途なら問題なく使えます。(代表例)
- Webブラウジング(ChromeやFirefoxが使えます)
- YouTube視聴、音楽再生
- メール送受信(GmailやThunderbirdなど)
- 簡単なオフィス作業(LibreOffice、Googleドキュメント利用など)
- 簡単な画像編集(GIMPなど)
- プログラミング(PythonやHTMLなど学習用途に最適)
できない/難しいこともある

無料でなんでもこなせるOSのように見えますが、苦手な事もあります。
- Windows専用ソフト(ExcelマクロやAdobe系など)の利用
※Wineなどのエミュレーターで動かす方法もあるが不安定・難易度高め - ゲーム(特にWindows専用タイトルや日本製ゲーム)
※SteamのLinux対応ゲームなら一部可能 - 動画編集やDTMなど、高度な用途には不向き
- 周辺機器との互換性が低い(プリンターやスキャナーがLinux非対応なことも)
特に、「古いパソコンを生かしつつsteamのゲームをプレイしたい」と言う方は注意が必要です。
そもそもLinuxOS対応のタイトルは少ないですし、ゲーム自体にマシンパワーをかなり要求されるものだと古いパソコンのスペックでは動作しないこともあります。「Linuxにしたら絶対大丈夫!」と言うわけではないので注意が必要です。
最大の問題はサポート体制!

少々問題があっても無料ならそれに越したことは無い!と思った方も多いかと思いますが、最大の難点は「Windowsとのサポートの差」です。
普段トラブルなく使えているときは良いのですが、困るのは何かトラブルが発生した時です。
Windowsだったら周りに使ってる人はいっぱいいるし、質問サイトも豊富ですし、家電量販店の店員さんに聞けば簡単に解決できる場面が多いです。
しかし、Linuxは基本「自力で調べる」スタイルです。周りに利用者はほとんどいないし、家電量販店の店員さんや、近くの知り合いがLinuxに詳しいとは限りません。
フォーラムやQ&Aサイト(Ubuntu日本語フォーラムなど)はあるけれど、答える方は玄人の方ばかり…ある程度の用語理解が必要で、初心者には若干敷居が高いと言わざるを得ないです。
Linuxを使えるかどうかは、困ったときに解決できるかがカギと言えます。
全ての人にはお勧めできないが…

Linuxは、正しい使い方をすれば非常に便利な無料OSです。
ただし、Windowsの完全な代わりにはなりません。
「メール・ネット・文書作成くらいで十分」「古いパソコンをどうにかして延命したい」という人にはおすすめですが、ゲームや仕事、専用ソフトが必要な人は要注意です。まずはサブ機やUSB起動で試してみるのが安心です!
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