回答「ライセンス違反が考えられる危険な商品です!」

Windows10の延長サポート(ESU)は2025年10月に完全終了予定です。それに伴い、「Windows11に対応していない古いPCは、セキュリティ的に危険なので買い替えるしかない」と言われる場面も増えています。
でも、実際に新しいパソコンを買うのって簡単なことではありません。
新品のパソコンは安くても5万円以上、中堅クラスなら10万円前後は普通にかかってきます。
そんな中、Amazonなどで「3~4万円以下」の激安ノートパソコンを見つけて、「これでいいんじゃない?」と考える方もいるかもしれません。
一見お得に見えるこれらの商品ですが、実は重大な落とし穴があります!!
「安いけどWindowsとOfficeも入ってる!?」それ、本当に大丈夫?

3~4万円以下のノートパソコンで「最新のWindows付き」「Office付き」と書かれていると、「これで十分かも?」と思うかもしれません。しかし、実はここが最も注意すべきポイントです。
パソコンに必要な「OS」や「Office」は無料ではありません
このような激安パソコンの特徴として、OSは「Windows11 Pro」、Officeは「Professional」がインストールされていることが多いです。
「Pro」と付くと、上位版のような感じがしてさらにお得に感じるかもしれません。
しかし、メーカーがMicrosoftから仕入れる正規のライセンスは、Windows11のProは大体13,000円程度、OfficeのProfessionalは大体30,000円程度が必要と言われてます。
正規ライセンス代を支払ってWindowsとOfficeを入れて販売していたら、これだけで販売価格をオーバーしてしまいます…
安さの理由は不正流通されたものを使っているから

なぜこんなことが出来るのかと言うと、これらは法人や教育機関向けに発行されたボリュームライセンス(大量導入用ライセンス)を勝手に使われているからです。
ボリュームライセンスは、特定の法人が管理するネットワークでのみ使用が認められたライセンスで低価格で大量のライセンスを購入可能です。それを不正な方法で入手しライセンス数を増やし個人向けのパソコンに導入して販売しています。そのため、ほぼ0円でOSとOfficeの入手・販売が可能なんです。
もちろん、個人向けの中古PCや格安PCに流用することはライセンス違反であり、Microsoftはこれを明確に禁止しています。
Windows11はWindows10の無料アップデートを利用し、不正に作成したWindows10のライセンスを利用してWindows11を利用できるようにしているものがあります。
Office2019はすでに新品の販売を終了しているので、基本的には入手が不可能です。廃棄されたパソコンの正規ライセンスを入手し別のパソコンで利用するという不正なライセンス利用をしたものがほとんどです。
どちらも正規の方法でインストールされてないものがほとんどですので、利用は控えた方が良いでしょう。
「普通に売られてるんだし動くならいいんじゃないの?」と思うかもしれませんが、ライセンス違反の物を使っていると以下のようなことが起きる可能性があります。
- ライセンスがある日突然無効になる(認証が外れる)
- Windows Updateや再認証が通らなくなる
- Officeが開けなくなり、保存も印刷もできなくなることも
- Microsoftによる調査・使用停止措置の対象になることがある
- 法人で使っていればライセンス違反で訴訟リスクすらある
安くパソコンを購入出来ても、これでは意味が無いですよね…
スペックもギリギリなものが多い…

こういった激安パソコンは、ソフトウェア面だけでなく、ハードウェア面でも大きな妥協があることがほとんどです。例えば、商品説明には「高速Celeronプロセッサー搭載!」などと書かれている場合がありますが、この「Celeron(セレロン)」というCPUは、パソコン用としては最も下位に位置するグレードです。
例えるなら…毎日10kmの通勤を「自転車」で行っているようなものです。
確かに移動はできますが、車や電車と比べて時間も体力もかかり、快適さや効率はまったく違います。
同じように、Celeron搭載の激安パソコンは「Windowsが起動することはするけど、それだけで時間がかかる」「アプリの起動が遅い」「複数のタブを開くと固まる」など、日常使用にも支障が出るレベルの性能であることが多いのです。
加えて、以下のような点もよく見られます:
- メモリが4GB(最近の標準は8GB以上)
- ストレージがeMMC(遅くて容量が少ない)
- 液晶の解像度が低い(作業効率が悪い)
- バッテリーの持ちが悪い、あるいは膨張のリスクも
つまり、「とりあえず動くが、実用にはかなり厳しい」というのが現実です。
まとめると…怪しい激安パソコンに手を出さない!!

「Pro仕様」「Office付き」で一見お得に見える4万円以下のパソコン。
でもその裏側には、正規ではないOSやOfficeが使われている可能性が隠れています。
- 知らずに使っていても、使えなくなるリスクや法的トラブルの原因になる
- OSやOfficeは本来高額で、ライセンス代だけでパソコンより高くなることもある
- 安すぎる価格の裏には、不正使用されたボリュームライセンスの存在がある
パソコンは長く使うもの。最初に安くても、あとで動かない・使えない・訴えられるでは意味がありません。なので、購入前には以下を必ずチェックしましょう!
- WindowsやOfficeに正規ライセンスキーが付属しているか
- 「Pro」「Professional」の表記が正当な提供方法によるものか
- 安すぎる価格に不自然な点はないか
本当に安心して使えるパソコンを選ぶために、安さだけでなく中身の正当性にも目を向けましょう!
この記事についてのご意見・ご要望がありましたら、ぜひお聞かせください。